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【実践】クレーム対応の失敗を避ける 対応術 <お電話編>

きちんと謝罪できる大人はカッコいい

今から謝罪の場に向かおうとしている上司

 

 

電話からのクレームは穏やかな時間に限って、突然に入ってきます。

思いがけない時間に舞い込むと機先を制され、あわててしまい

さらに事態が大きくなりかねません。

 

ここでは突然電話で入る「クレーム」対応をお伝えしていきます。

クレームへの対応ができる人は、会社や組織にとって貴重な人材になります。

きちんと謝る人は大人ですし、とても格好いいです

 

 

いっしょにスキルアップを目指しましょう。

 

・クレーム対応術を学べる(そもそも完璧はありません)
・初動対応が解決の大事とします
・初動で失敗した場合のリカバリー方法

 

接客業35年の上司
実は社内や組織内のクレームにもシビアなものがあります。
ビジネスマナーに通じる部分がありますので、
いっしょに勉強いたしましょう。

クレーム対応術にカンペキはありません。

 

30年以上も接客業に携わってきました。

さまざまな人間模様を学んできました。

 

世の中には多くの参考図書やマニュアル本がありますが、けっして事例が同じではありませんし、

ヒトの主張はさまざまなのです。

 

クレームをド真ん中で突く人間もいれば、変化球を多彩に入れてくる人間も多くいます。

 

はじめにお伝えします。どのようなケースでも

クレーム対応に100%の正答はありません

 

双方とも人間ですから、どうしても感情の揺れ

が起きてしまいます

 

右往左往しながら、落としどころを探って行くのです。

 

完全決着100%を目指すと、ほか業務の生産性も下がりますし

メンタルにも影響が出てきます。妥協点を探っていきましょう。

 

 

主張の裏側には、スタッフの言動や粗相が隠れています

接客業35年の上司
お客様が主張している点以外に、その本質が違う場合が多くあります。 傾聴意識で本意を探りましょう。

 

 

クレームの発端はさまざまです。

 

ホテルであれば客室の清掃不備、ショップであれば商品の何らかの不具合というような、

当事者としては思いがけないことからが始まります。ところがそればかりでなく、

スタッフの言動や粗相によって心理的に不快な思いをしたことが、掛け合わされています。

 

それが「私の主張(クレーム)は正しい」として非難の声を伝えてくるです。

目的として原状回復はもちろんのこと、それによる心の不快さも回復したいということなのです。

 

このあわせ持った当事者の心理に気づいていかなければなりません。

            

クレーム対応の基本

クレーム対応の基本中の基本

・組織のトップは初期対応しない(初期対応者はあらかじめ決めておく)
・初期対応時は、相手の主張をすべて聞き入れる
  (すぐに反論しないこと)
・いわゆるD言葉 ”だって” ”ですから” ”だけど” ”でも” を使わない
・傾聴意識を常にもち、あいづちと間(マ)は的確に入れる
・事案の重さに気づかないときもあります。解決時間を拙速に進めない

どうやら、この電話は「クレーム」らしい

 

興奮した相手にとりつく島もなし

スタッフが電話対応していると、手を振って合図した。クレーム入電だ。

初期対応ですべきこと

 

合図に気づいたならば、周辺のスタッフは静粛にして、対応者が電話に集中するようにします

紙面にメモを取っているので内容の把握と、不穏当な発言がないか周辺の協力が必要です。

けっして電話対応者のみに当たらせて、ほかは談笑していることはないようにします。

このような状況下に、勝手な判断で間違った対応(不注意発言=非を認める、金銭解決、対物解決など)

が起きることが多くあります。

 

いまそのときが、初期対応ですからね。

受話者と周辺にいるひとの、メモでのやり取りも有効です。

電話越しから、声のトーンが伝わってきます。

ある程度、話を伺った時点になったら

いったん保留することで流れをかえる

一方的な相手主導から、当方に流れをかえます。

例として、

「お客様。 お客様の申し出をきちんと把握したいと思いますので、メモ(書類)を用意します。いったん

この電話を保留いたします。お待ちくださいませ…」

たいていは了承しますが、いきり立っているとそれさえも拒否します。

それでも「何か間違いがあると、さらにご迷惑をおかけしますので、準備させてください」と願い出る方が

もっともベストです。

これは、ひとりで対応せざるを得ない場合には、とても有効です。

相手には、自分の発言をメモされていることが心理的に影響があり、ことばを選び始めます。

この保留の間に、だれかの応援を依頼できますからね。

 

また電話に不慣れなスタッフが「担当者に代わります」と言って、別なスタッフへ取り次ぐこと

余程のことでなければ、避けるべきです

おぼつかなくても、丁寧に対応すればよいのです。

代わってしまうと相手は「担当者」と認識し、主張のレベルを数段上げてくるでしょう

 

これが初期対応の基本ラインです。

 

ここで、最後まで口走っていけないワードをお伝えします。

ケース対応のクローズまで禁止ワードは絶対使わないこと

禁止ワードは ”クレーム”という単語です。  

意外とうっかり使ってしまいます。

「お客様。これはクレームですね。ちょっとお待ちください…」

「クレームの件で…」

禁止ワードを伝えてしまうと、怒りの燃料を増やしてしまい、収拾がつかなくなります。
この形になると筆者の経験では事態解決まで1ヶ月はかかりました。

 

ちなみに、「よろしいですか?」も禁止ワードです。

「よろしかったですか?」もヤング&ミドルで多く使用されている言葉です。

言いやすさだけで丁寧ではないと感じないといけません。

 

よろしい…は相手(お客様)が認める言葉です。 受ける側は、「いかがでしょうか」が一般的です。

 

「…すか?」が標準になっている方がおられますが、

大人はすべて「…でしょうか?」「…でございますか?」にしてください

 

前項の基本ラインをまもりながら、主張の要約をつかんだなら、いったん電話を置く。

初動対応時の電話の切りかた

  • 主張を簡単にタイトル化します。
    「椅子が汚れていた」「スタッフが粗相した」件で、お客様から承りました”と伝える。
  • 早急に関係部署に報告するが、調査のために時間がかかる旨を伝える。
    折り返しの連絡時間は明示しない。 また弁償の可否なども伝えない。
  • 相手が指定してきた時間には、いったん電話を入れる。(ただし解決にはしない)
  • 「ご迷惑をおかけしています」「お時間をいただきます」「恐れ入りますが…」
    などのクッション言葉をいれ、のちほどの折り返し連絡を伝える

     

    ※この初動時には決して、本件の回答で「お詫び」しないようにします。
     調査をしない前に、主要な部分の非を認めてしまうことになります。

弁償や金銭解決は初動時では応えません。

要求されても「それらも含んで、(会社へ)報告します」と伝えます。

相手は、早くこの不快な気持ちを取り去りいたいという心理から

「上役を出せ」と主張してくるが、この場面では不在(外出)を理由に

決して取りつなぐことはしない。

あらかじめ準備している、クレーム対応表は直ぐに取り出せるようにしておきます。

・スタッフが電話応対しているときは、傾聴に集中できるように配慮をする
・あらかじめ初期対応用の専用用紙を作成しておく
・いったん主張をうかがって、釈明などの回答は折り返しにする
・相手に要求されても責任者として電話代わることはしない

 
奥さん

先日、利用したけどちょっとこの店どうなってんの?
通された部屋に、食べゴミがあって気持ちわるい。
違う部屋にチェンジしたけれども、スタッフは
「スミマセン」しか言わないし、時間はかかったし
ホント、不愉快だわ
どうしてくれるのよ。

初期対応用のペーパーを準備しておく

初期対応なので、書式欄は日時、名前、連絡先にとどめ、大きな枠を設けて

マインドマップのように、またはフリーライティングで構いません。

 

なお対応時間の始まり終わりは正確に残しておきます

クレームの分析開始

電話を切ったあとは、紙面をもとに内容を精査します。

このすぐに行うことが肝要です

主張は物品の問題であっても、前述したように対応したスタッフの問題が隠れているはずです。

よって、その対応者に質疑を行わなければなりません。

しかし休日などですぐに聴取できない可能性があります。

なので時間は、一日単位となってきます。

ただし、あきらかに当方に落ち度が明確に認める部分があれば、

早めに一応の謝罪を行わなければなりません


連絡のタイミングを図ります。

 

まだチームのトップは控えておく

ある程度の情報(顛末)が集約できたら、あらためて釈明謝罪の連絡を入れます。

初期対応者が望ましいが、経験が浅い若年であるなら

所属する組織内のニ番手が連絡するのが望ましい。

主任クラスが連絡をいれますが、

 

 

 

このとき、前述しているように、決してD言葉を使わないように、日ごろから訓練しておきましょう。

自分の上司のみならず、同僚でもD言葉は使わないように
すると評価はかならず良いものです。

 

 

ただし、急にクレーム対応を指示されるのは、だれでもイヤなものです。

日ごろから、クレーム対応の大事さを教えて、

スキルアップとコミュニケーションを良く行っておきましょう。

誠意を見せてほしい

「…誠意をみせろ」「…誠意ある対応が欲しい」

よく聞く常套句ですね。

こういう主張もあります。

お金の問題ではない…。弁償の問題ではない…。 ものではない…。と言いながら

「だから誠意が欲しい」として回答を求められます。

 

これは今までの時間の経過が無駄となってしまうことないように、償いへ欲求なのです

心理学でいえば、お金で解決を望んでいる本心で、ベールに包んでいるだけです。

 

なので、初期対応時には金銭的解決は禁止です。

あくまで謝罪は「●●の件、こころよりお詫び申し上げ、●●のように改善して参ります」が誠意です。

いよいよ責任者として相手に挑む

ここでは、なぜ最後なのかを説明します。

 

  • 組織の代表者としての権威付けができる
  • よって管理職として不行き届きの是正、教育指導の役目が明示できるので謝罪の重みが出る
  • 事案によって、弁償金額の提示が必要である
  • バランス感覚が身についている

すでに、さまざまな角度から検証を行ってきたはずです。

事案によっては、相手の過失や勘違いもあることは承知のうえで、

わずかな落ち度があれば、認めることによって切り出していきます。

常に冷静な声のトーンで合わせていく

 

たとえ相手側の問題もあることは承知のうえで、よく傾聴し、発言に被ることを避けます。

常に冷静な声色で、いつもよりゆっくりと話をするのが良いです。

これは、自分自身にも対しても有効です。

相手の誘導にそそのかされて、余計なひとことを避ける意味があります。

ゆっくりと低音で。イメージは低音ボイスの声優のようで構いません

女性もいつもより、数段トーンを下げると好印象です

やりとりの録音は可能なのか

電子機器の性能が高く、かんたんにデジタル録音ができるようになりました。

企業によっては、お客様窓口の番号案内で、録音している旨の通知がされてる場合は、了承してから取り次ぐことになりますので大きな問題にはなりませんが、ここではそのシステムがない状態での対応を述べています。

録音は、自動対応でなければ避けた方がよいでしょう。

相手の承諾がないまま、録音することは信用を失います。

この文章は、録音がない場合の対応です。

初動対応を間違って、さらにクレームになった

実は、これも先で述べていたように、順序立てて対応すればOKです。

ただし、初動の火消しが間違ったと判断したならば、

今度は、早急に連絡を取っていきます。

場合によっては、2番手など介入せず、すぐに責任者の

対応が必要な場合があります。

その際に、「未調査」な部分があっても、それは後日報告するとして

いったんの釈明謝罪が、問題解決の早道になります。

 

 

クレームの初期対応をまとめます。


・電話での応対は、つねに声は低音トーンとゆっくりに意識する
・相手のことばに被せない。(相手が被せてきたら、待つくらいの余裕で)
・それが間になるし、間があれば冷静でいられる
・相手のペースから自分のペースに変わるまで、急がないように
・100%完璧はありません。交渉術ですので妥協点を探りながら

 

クレーム対応は、ストレスではありますが

解決すると、パッと心が晴れるのが気持ちのよいものです。

ご検討をお祈りします。

ごきげんよう

 

いずれにしても人生は長い。前にいったり、後ずさりしたり。

つまづいても、いつでもリスタートするために。

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